波に乗る料理人。
包丁とサーフボードを持って、極上の波と、未知の食材を探ります!よ
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ペルー3日目の朝
朝6時のはずだった首都リマへ戻る飛行機が、低くて分厚い雲の為に
ここプカルパに着陸できず、2度のチャレンジ失敗のあげくタラポトへと飛び去ってしまった。
次回のチャレンジは9時の予定とのアナウンスが流れ待合室にため息が溢れ
皆立ち上がりその場を離れて行く・・・慣れているのだろう。
うまくいっても10時にリマ。。
13時までに50人分のセビチェを作る約束をしているのに・・・
今回の研修旅行のきっかけにもなった出来事が去年の年末
青年海外協力隊員としてHogar Emmanuelで働く林麻里子さんのご家族のご来店。
まさしく自分が1年間の滞在中の最初にお世話になった養護施設。
「もしかして同じところですか?」
というお話から、色々思い出してご本人からもメールを頂いたり
今回忙しい中、無理を言ってアポイントとってもらってお邪魔する事になっているのだ。
子供達も期待しているだろうが、最悪料理は無理かもしれない事を伝え
リマに着いてからの行動をシュミレーションしてみる。
なにしろ3年ぶりだし、田舎に比べて治安が悪い首都は正直緊張する。
リマには大きな魚市場が2カ所あり
養護施設に向かう最中にその一つが存在する。
スタッフにゆっくりと説明しながら買い物も済ませるつもりだったが、もう無理だろう
それよりも問題は営業時間内に市場に入れるかだ。
タマルやエンパナーダ、本場を体験していないスタッフが喜ぶメニューを
空港の喫茶店で食していると飛行機の着陸音。
荷物も問題なくいざ砂の惑星へ
空港内のタクシー、簡単に言うと空港の建物に近い程高い。
というのも、こちらのタクシーはまず値段交渉から始まるのだ。
スペイン語が話せないと駄目なのである。最初は実に面倒くさい
けれども、実際白タクの多さもなど考えると選択肢は多く
(もちろんそれらは重い荷物を持って、空港の外まで行かなくてはならないが)
日中でこちらの人数が多いときは危険度も低く、逆に相場さえ分かっていれば
その金額になるまで断り続ける時間と忍耐があれば経済的にもなる。
なにしろ、今回はこの荷物の量と時間の無さ
一番経済的な移動手段「乗り合いバス」になど乗る気にはなれない。
あとは、途中で魚市場に寄ってもらう事を乗ってから説明する事など
事前に作戦を考えた通りに実行
変な優しいさみたいな物が邪魔をすると計算が狂ってくる
ベンタニージャのプエンテ・ピエドゥラに限りなく近い場所にある施設までは約1時間
途中カジャオという町のはずれの魚市場で8分で食材を買う約束をして40soles
3年ぶりで全く相場が分からないが、日本円で1400円と考えると安く思える。
やはり市場は店じまいの真っ最中・・・
最初に魚売り場に行き、時間がないのでさばいた魚を探すもほぼ売り切れ状態。
けれども、肝っ玉カーちゃんみたいなひとが協力的で色々声をかけてくれている。
「悪いけど、他のもん買ってくるから集めといてもらっても良いですか?」
「いいわよ、任せなさい!」
すげーラッキー。。
厚手のビニールの買い物袋を買って、野菜ゾーンへ
2007年に研修できているので、頭に地図が残っていて良かった
セビチェに必要なリモンという柑橘系のフルーツとタマネギ
コリアンダー、ニンニクをゲット
付け合わせ類も調理している時間はないので
専門店へ
人が作ったものよそってどうすんだろうか?と以前は思っていたのに
こういう時に役に立つようだ・・・頭ごなしに何でも否定するのは良くない事だな
などと考えながら、オレンジと香辛料で茹でたサツマイモ(カモテ)、
茹でた生ジャイアンとコーン「チョクロ」をほぐした「モテ」、炒った乾燥トウモロコシ
(カンチータ)を買うと料理用バナナのフライ(チフレ)をサービスしてくれた。
魚売り場に戻ると、「ハイヨ!」とカーちゃん。
涙が出そうなほど嬉しかったが、初対面なのでハグまではまずいなと記念撮影。
エルニーニョの影響で暖流に住む回遊魚「シイラ」(ペルー名はペリコ)祭りなのが、
この短時間でも分かった。
今回は、美味しい雲丹には巡り会えないかもしれない・・・
懐かしい風景が流れて行く。
エクアドルとの国境に近い北部「ピウラ」出身で料理人の父を持つ運転手さんと
ピウラ料理の話をしながらすっかり仲良くなり
オガール・エマヌエルに到着
さらりとご挨拶をしながら厨房へ。
給食シェフのレオおばさんも元気そうで本当に良かった
この練炭のストーブも懐かしい・・・
今回は前菜だけなので大丈夫。
50人分のスープなど、一晩たたないと沸かないのだ。
普段は学校へ通っている子供達
この時期は3ヶ月もある長い夏休み
真里子さんと一緒に厨房に集結。
当店スタッフも現地の食材に触れるチャンスです。
子供達の協力もあって、12:55完成。
師匠レオおばさんは、なんと鶏の炊き込みご飯
「アロス・コン・ポジョ」をメインで用意してくれていて豪勢な昼食となりました。。
彼らが発する「お腹が空いた。」という言葉は
日本で考える僕らが使う言葉とは意味が違うのです。
年齢には適していない成長具合などを見ていると悲しくなることもあります。
たった一回のセビチェ、考え方によっては自己満足に近い行動にも思えるのですが
みんなの嬉しそうな顔を見て
料理の凄さ、食べる事の喜びを改めて実感させていただきました。
食後、初めてお会いする施設創設者の加藤神父を真里子さんに紹介していただき
近くにあるもう一つの施設、日系人の為の老人ホームにも案内していただきました。
人の為にここまで出来る加藤神父の笑顔は本当に素敵です。
施設の片隅で家畜されている食用天竺鼠「クイ」も見せてくれました。
ついつい長居したくなってしまうので、夜には山岳地帯行きのバスの乗車券を予約してあり
またくる事を約束して
施設をはなれます。
スペイン語を教えてくれて
食べる事とは何かを教えてくれた子供達に感謝
そして、いつまでも忘れないように今の仕事を続けて行きたいです。
真里子さんありがとうございました!
(そういえば、あの後スルキージョのバリオ・メディコまで35solesでした。ギネスレコード?)
さて、これからアンデス山脈を目指します。
目的地は標高3000mの町ワラス。
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無題
自分のマイミクさん2人がそんな接点あったなんて。しかもベンタニージャにいたんですね。前、働いてたところが2つも一緒だったり、住んでたところ近かったり、自分と1っ週間違いで入れ違いだったり、これは荒井食堂に行けっていう、ことなのかな・笑
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