凧

「よく飛ぶ飛行機集」という本を小さい頃おじいちゃんに買ってもらって
確か、鎌倉の駅前ビルにあるの本屋さんで
ワクワクしながら家に帰って
直接切り抜いて接着したり
お気に入りは一旦カーボン紙で複写してから作ったり
完成品を公園でテストするのが楽しみだった。

本の中に出て来る飛行機の中には、サハラ砂漠横断だとか
興味をそそられるタイトルのものもあり
複雑なものは後回しにしたり
実際よく飛ぶものもあれば、期待はずれなものもあった。

ある日友人と２人でいつもの誰もいない公園に行くと
一人のオッサンが紙飛行機を飛ばしていた
自分たちが作った、一端ブワッと上がってからスーッ降りて行く飛行機とは違って
飛び出した高さをいつまでも維持しながらまっすぐ
永遠に飛んで行きそうな軌道

そこからは質問攻めである。
オッサンは羽根のそり具合を変化させて
回転する飛行や、宙返りするもの
丁寧に教えてくれた後去って行った。

どうやら空気の流れが重要らしい
見た事も無い様な形の飛行機を思いだし
自分たちなりにまねをしてさんざんテストした。
近いが
同じ様なよく飛ぶ飛行機が出来ない。。
あのオッサン何所に住んでるんだろう

別の日にいつもよりもう少し大きめの誰もいない公園で
大きな凧が揚がっている。
糸をたどるとあのオッサンだ！
飛行機の質問をしたかったのだが、凧・・・
しかしよく揚がっている。
歌舞伎の様な絵が綺麗に描かれていて
よく見ると菱形の凧特有の尻尾が無い。
なんだか丸い平たいものがついている。

このオッサンいったい何者なんだ。。
知らない人にはついて行ってはいけないらしいが
僕達は逆に嫌がるオッサンの家に押しかけた。

田んぼの脇の細道を暗い方に進んだ時には
多少引き返そうかとも思ったが、好奇心が勝り到着
玄関には紙紐を束ねて作った立派な兜が。
西日が軽く差し込む畳に部屋の壁には
様々な和の感じの絵が描かれた凧が並んでいる
タンスの上には飛行機や龍
「これみんなおじさんが作ったの？」
少し照れながらも嬉しそうに全て説明してくれた様な記憶が

後日、寿司屋でアルバイトをしていた頃
配達先の地図を見ながら
その事を思いだして、ヤンチャだった社長に話してみると
あ〜彫り氏の◯×＃さんじゃねーの？

そういえば入れ墨に入ってそうな絵だったな・・・。
家にくるのも嫌がってたのもそんな理由からなのかも。。



今回もオッサンを思いだしたので記憶の設計図を経験値プラスで進化させながら
また作ってみた。






















































竹ひごとたこ糸、障子紙とのりがあれば出来る
空飛ぶ凧

作ると風が気になるようになります。
















































下の糸の位置がもう少し上だったんだろうなきっと

完成と思った暁には

頑張って絵も入れます。